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商品の説明
今から34.5年も昔、麻布十番商店街は、坂田和實さんの影響を色濃く受けた若手の古美術商が集まっていました。さる山、タミぜ、うちだと、誰が名付けたか、新感覚派などと言われた骨董品店です。今では、うちださんは廃業、タミぜの吉田昌太郎さんは恵比寿に移り、往年の賑わいは遠のいているのでしょうか。いずれもまだ、六本木ヒルズやミッドタウンがそそり立つ前の話です。
そんな殷賑を極めた麻布十番商店街の狭い路地裏に、ある日突然、「ホーボー」という骨董屋さんが現れました。天井の高い倉庫のようなバラックを改装し、デッドストックの白磁やジャンクにみまごうランプなどを並べる、一種異様な店でした。何度か通い、何点か姿の美しい急須やお皿を買って、また訪れたときはもう跡形もありませんでした。
本出品は、このヒトヨタケのような「ホーボー」で買い求めた一点です。伊万里か砥部か、はたまたフランスあたりのカフェオレボールか、不明ですが、高台裏の緑色の記号や数字、錫釉のような硬質なテカリから推測すると、日本のものではないように感じます。時代はせいぜい100年に満たないでしょう。しかし、口縁を巡る控えめな鋸歯文はじつにお洒落ですし、中央を取り巻く円環も聖人のエンブスのようで、そこはかとなく美しい‥。
じつは出品者がホーボーで買い求めたあと、タッチの差で勝見充男氏が訪れたらしく、ちょっと悔しがっておられました。
如上の思い出話を共感と理解もって読んでいただけた数寄者のどなたかにお譲りします。
ちなみに、使い込んで育ったシミ以外、ワレ・カケ・ニューなどの損傷はありません。寸法は写真15をご参照ください。
商品の情報
カテゴリーホビー・楽器・アート >
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上質な素材を厳選して使用しており、耐久性と美観を兼ね備えています。素材自体の質感が高く、長期間の使用や鑑賞に耐えることができます。 人気のある 工芸品 > 陶芸商品の状態やや傷や汚れあり発送元の地域大阪府